置屋根造りの蔵の家ストーリー

引渡し後、犬を散歩させる町内の方が、立ち止まって眺めてくれると「ああ」良かったなと思います。家造りは、併せて、町並みの一部を担うという気概を社員一同忘れてはいけないと考えます。

思わず立ち止まる清涼感あぶれる真っ白な漆喰(シックイ)の壁が朝日に映えます。住む人の人柄が現れるような主張しすぎない。しかし、凛とした存在感のある。そんな表情の家造りを目指しています。

今回の新築に併せ、土地の有効利用のため、高低差を活かし、ビルドイン車庫にしました。もちろん将来の高齢化や訪れるお客様にも配慮し、玄関までは階段とスロープを設けています。

無機質でシャープなコンクリートと暖かみのある漆喰に曲線のウダツや曲がった古材など、直線と曲線の対比、素材感の対比でお互い引き立て合うようにデザインしています。

ファサードには金属的なものを一切見せないようにしています。木製窓や古い藏戸から古いガラスを通してこぼれる灯りが何とも優しい空気が漂います。

建築前にあった紅葉の古木をシンボルツリーとして、植え替えました。もう少し繁ってくると木陰の下に設けたデッキでのひとときが楽しみです。

漆塗りの引き戸やすす竹、ポイントにケヤキ古材の踏み台で空間を引き締めています。

リビング中央を走る古材の梁は九州では珍しいナラ材で福井県から運んだ明治の藏の牛梁だったもの、漆で磨き込んでいるため、何ともいえない艶っぽさがあり、単に石油系塗料で黒く塗るのではなく、素材に依り仕上げを変える当社のこだわりの一つです。

重量のあるナラ材の梁を受けるため、サッシの上には差鴨居を入れ渡りアゴで組んでいます。古材を使う場合、構造体としての補強を第一に考え単なるファッションではなく、構造と意匠の一致、理にかなった使い方をすることが、デザイン的にも一番美しく見えます。

リビングローボードの天板は長さ6メートルの松の梁を割ったもの。2,800坪の敷地に置いてある豊富な古材在庫の中から選べるのも当社の強みであり特徴です。

新と旧の融合、ケヤキの梁や栗の柱など、あえて色を合わせず古材は時代感なりの古色、新材は白木の良さを併せ、お互い引き立てあうようにしています。但し、新材は高樹齢の赤身材を使うのがポイントです。

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